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(レポ)知ったつもりの発達障がい 〜伝えあおう わかり合おう〜 ③当事者体験談レポ/保護者編

こんにちは。上間春江です。

この記事では、
知ったつもりの発達障害 〜伝えあおう わかり合おう〜の当事者体験談のうち、
「発達障がいをもつお子さんを育てている3名のお母さんたち」のお話の様子を、
レポします^^

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体験談のトップバッターは、河西ひろ子さん。

現在、小2になる次男君の障害認知〜療育〜小学校までの
子育てのお話をしてくださいました。

ひろ子さんは、母子保健を専門とする保健士さんでもあり、
発達障害については、「専門家」でもあります。

でも、そんなひろ子さんでも、
お子さんの「障害受容」には、5年もかかったとか・・・

お子さんの障害が、うっすら見えてきたのが、
1歳頃だったといいますが、当初は保健師さんからの
「医療を紹介しましょうか?」の声掛けは、
「そのうちおいつく!」と思って、
必要ないと思っていたんだそうです。

それでも、やはり、なにかが違う・・と思い至り、
支援を受けようと決意したのは、2歳のころ。
ここまで1年かかっているんですよね。

その後、2歳7か月から療育がスタートして、
小学校入学したころは、「よく訓練されていますね」
とおほめの言葉をいただくほど、成長できたとか。

「専門職」としての経験・知識があったとしても、
わが子となると、話は別・・という、
親のリアルな心情が伝わってきます。

とはいえ、早期に療育を受けられることで、
同じ境遇のお母さんたちとつながれたり、
お子さんのできることが増えるなどのメリットも
徐々に感じられたとか。

そんな紆余曲折の経験をもつひろ子さんが、一番伝えたいこと。

それは、・・・

「親子で悩んでいないで、外部支援者やわたしたちのような
ピアな人間につながってほしい」ということ。

「お子さん、医療につなげましょうか?」 とそのつながりを打診されつつも、
必要ないだろう、という経験もしてきたからこその重みを感じます。

わたしが、ひろ子さんのお話をきいて、素敵だなと思ったのは、

「障がいがある=烙印を押されるということではなく、
その子自身がより良い成長をしていけるように、
専門職も含めてみんなえ支援していくこと」

本当にそうですよね・・・・。

こんな風に思えないことも含めて、
いろんな人たちと協力していくことで、
きっと、樋端先生のいう「ええ感じの大人」になるのだと思います。

とはいえ、親として、そのことをすんなり受け入れられるかといえば、
それはまた別、というのもリアルな話。
ひろ子さんには、「障害受容」に至るまでの「お母さんの気持」について、
深く突っ込んで聞いてみたくなりました。

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続いては、幅ひろ子さん^^

幅さんは、パワポを使って、
視覚を交えたとてもわかりやすいお話でした。

幅さんも、精神科看護師という経験があり、
看護の実践発表等の経験が豊富な「専門家」の一面も!

プレゼン技術は、ぴか一で、
話の内容もさることながら、スライドの作り方などにも
見ほれてしまった上間でした^^;

さて、そんな幅さんのお話は、

いうなれば、

「個別に配慮された丁寧な子育て」の超具体的実践版!

前半の樋端先生の講義を、
より具体的にイメージさせてくれるものでした。

お子さんへの支援の具体例をいくつか紹介しながら、
障がいをかかえるお子さんの子育ての様子をお話くださいましたが

わたしが、素敵だと思ったのは、学校の先生たちの対応です。

お子さんが好きなこと興味をもつことに寄り添った対応は、
本当にお見事!!

たとえば、廊下には、
お子さんが好きな「ウルトラマン」を使って、
「廊下を走らない」というルールを伝えている
張り紙があるそうなんですが、
「個別に配慮された丁寧な子育て」って
こういう小さなことの積み重ねなんですよね。

こういうことができる先生って、素敵だなと思いましたし、
先生たちがその支援をできるのは、
家庭と学校の連携が取れている証でもありますから、
こうした支援をしてもらえるようにした
保護者の幅さんも素晴らしいなぁと思いました。

幅さんには、保育園や学校との信頼関係や協力関係の作り方の具体的なところ、
たとえば、日ごろ、どんなやりとりをしているのか、
お子さんへの理解をどのように得ていったのか、
など、深く突っ込んで聞いてみたくなりました。

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3番目は、南沢和美さん。

南沢さんは、自閉症のお子さんを成人期まで育て上げられ、
現在は、中信地区自閉症こぶしの会を運営していらっしゃいます。

南沢さんのお話からは、
「障害をもったお子さんを理解してくれる環境が、いかに大切か」、
ということが、とても伝わってくるお話でした。

南沢さんのお子さんは、保育園のころから、
パニック等がたえず、・・・
理解のない経験の浅い保育士さんとの間では
なかなかうまくいかないことが多く、
保育士さんが、辛さのあまり、
2人も退職することを経験されたそうです。

子どもも保育士さんも、きっと、どちらも悪くないのに、
理解のボタンが掛け違うと、
こんなに切ないことが起きてしまうのですよね・・・。

感じ方が違う世界を持つ子どもへの想像力をいかに養うことの大切さ、を
考えさせられます。

わたしが、南沢さんのお話を聞いて、本当にすごいなと思ったことは、
パニック等の問題行動に対して、一筋縄ではいかない大変さをかかえながらも
それでも、お子さんを理解しようとつとめ、
まわりの支援者にも粘り強く理解を求めながら、
お子さんの特性にあった環境を創り出してこられていてたことです。

特に、やっぱり、ここだよなー、と染み入ったのが、こちら。

「私たちと違う感覚の中で生きている息子が、
安心して楽しく過ごすには、
何が大切なのかを考えながら接することで、
パニックを減らすことはできました」

言葉で書くと、これだけですが・・・
それをすることは、簡単ではない面も多々あります。

それでも、粘り強く、まわりに理解を求めながら、
時に厳しいしつけも行いながら、
成人まで育て上げられた南沢さんのお話は、
参加者の方の涙を誘っておられました。

子育てで悩まれている方は、
さまざまな苦労を乗り越えてきた南沢さんの
「こぶしの会」、ぜひつながってほしいなと思いました。

ホームページもあるそうです^^

http://kobusinokai9a.seesaa.net/

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以上が、発達障がいのお子さんを育てる
おかあさんとしての体験談でした。

おひとりおひとり、豊かなエピソードばかりで、
レポもなかなか大変です^^;

いったんここで、切りまして、
いよいよ、ラストは、成人当事者の語りレポです!

次に続く・・・

【この記事を書いた人】

上間春江(臨床心理士)

虹のかけはし/子どものミカタプロジェクト代表
https://happy-mirai-create.jimdo.com/
ブログ
https://ameblo.jp/happy-mirai-create

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