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今日は松本市内にある株式会社 ハートフル松本MVPとアルプス福祉会の一つ第2コムハウス・ゆいの二か所を見学させていただきました。

ハートフル松本は就労継続支援事業A型事業所でエフピコから請け負った食品トレーとペットボトルのリサイクルがメインの事業所です。一人ひとりが役割・責任を持って安全に仕事に取り組んでいました。

A型事業をは雇用契約を結ぶだけあって、自分から出来る力・自分の働く環境を自分で整える力が求められます。黙々とトレーの選別をする利用者。そのスピードは健常の人よりどうみても早い・・・。毎朝目標設定して作業終了後は振り返りをする。スタッフ・利用者が目標に向かって日々頑張っているだけあって、昨年の社員旅行はなんと沖縄の石垣島!忙しい時期には土曜日・祝日出勤もありますが、何よりも自分のことを最優先してもらうというのが理念。素晴らしい!

11月から松本駅前で発達障害と発達障害と診断されていないグレーの人向けの就労移行支援事業を新たにスタートするとのこと。仕事内容の幅も広げておりまだまだ目が離さない事業所です。

そしてもう一つ伺った第2コムハウス・ゆいは就労継続支援B型事業と生活介護事業、同じ敷地内に居宅介護事業を行っている多機能型事業所です。

ここではコンビニやパチンコ屋から出たペットボトルとアルミ缶の分別作業と資源物回収、ぼかしの製造、シフォンケーキの製造、企業から請け負った作業(施設外作業)など様々な仕事を行っています。

生活介護事業では芸術に力を入れており、11月には青空芸術祭という企画もしています。生活介護の人にも出来る仕事を、出来る仕事は生活介護の人にもやってもらう。社会参加も出来るのが多機能ならでは。

農福連携にも力を入れていてJAとタイアップした作業も行っていたり、敷地内に農産物の直売所があったり福祉の最先端を行っている印象を受けました。

こちらの事業所も一人ひとりに配慮した仕事目標、日課表を作成して視覚支援しながら見通しを持って一日作業に取り組むを実践していました。

今回二か所見学させて頂きましたが共通していることは「目標を持つこと」。生きていく上で目標を持つということは、障害ある無しに関わらず大事な事だということを改めて感じ取ることができました。そして今日出会った全ての利用者が挨拶がきちんと出来ていたこと。挨拶ができない社会人もいる中で、挨拶が出来る障害者は輝いて見えた一日でした。

大北圏域にある3つの児童通所支援事業所が連絡協議会を発足するという事で本田先生を講師に招き記念講演会が行われました。

内容は「発達障害の子どもの子育て・教育」~成人期に向けてやるべきこと、やってはいけないこと~これは聴きに行かねばということで行ってきました。会場のすずの音ホールには本田先生のファンや発達障害者支援センターの方々、養護学校の先生、保健師や発達障害の子どもを持つ保護者など総勢250名近くが席を埋め尽くしました。

本田先生から先ずこのような連絡協議会は豊田市で行政主導ではやっているところはあるが、事業所が主体となっては今までに無く、草の根的な取り組みだというお話をされました。(おぉ~大北圏域気合入ってきたぞ!)

発達障害とは発達の「異常」。異常とは規格外れていて不便。症状の軽さと社会適応の良さとは必ずしも比例しない。本当にやってはいけない事はそんなに沢山は無い。世間では全ての子どもを定型発達に沿わせようとする。親は教えなきゃストレス、子どもはやらされる・やらなきゃストレス。そういう中で成長した子供は親や学校から受けたトラウマ・体験が抜けず二次障害を発症しやすい。

発達障害のタイプと育ちの4タイプをおもしろ・おかしく説明してくれました。ここで詳しく書いてしまうとライブで本田Drのセミナーを聴くお楽しみが無くなってしまうといけないので今回は割愛。でもちょっとだけ・・・自閉症スペクトラムの特性の一部は、他の発達障害の併存で目立ちにくくなる。僕の知り合いが「こだわりと不注意のせめぎあい」と言っていましてねー。(どこかで聞いたことあるフレーズだなぁ・・・)精神科医は変な人が多いんですと分類表に自分を当てはめて説明する本田先生。頂いたレジメには一句【グレーとは白では無くて薄い黒】本田秀夫 55歳/長野県。会場から若く見えるという声が聞こえる。発達障害は見た目歳をとらないというのは本当なのか!?

幼児期の支援の仕方、学童期の支援の仕方、思春期以降の支援方針。特に思春期の「支援つき試行錯誤」共感しながら施行錯誤に付き合う。情報提供と考えの整理は行うが誘導・助言は控える。本人主体で親はわき役に徹する。失敗しても絶対に本人を責めてはいけない。これ健常児の親でも中々できていないですよね。疲れる前に休養を取る。健康でハッピーな生き方、ネスト東京・山梨の活動・取り組みも話てくれました。趣味で横でゆる~く長く繋がれる居場所作り。ネスト東京では鉄道やアニメ、ゲームなど共通の趣味を持った子ども達が年齢の垣根を越えて繋がっているそうです。なんて素晴らしい取り組みでしょう!(鉄道の話をしている時の本田先生は鉄マニ・鉄オタクにしか見えなかったのは会場にいた人にしかわからないのが残念!)最後に本田先生から「子どもの気持ちを汲んで欲しい」という切なる願いを会場にいた人に伝えてお開きとなりました。

最後に講演会恒例のアンケート用紙を記入。今後やって欲しい企画などありましたらご記入下さいの欄に「発達障害あるあるラボ トークライブin大北(自閉症啓発の取り組み)」と記入。もちろん連絡先も書いてきました。来年お声かかることを願いつつ、ネスト安曇野が立ち上がれば良いなと思った一日でした。

長野県教職員組合の方から依頼を受けた「長野県母親大会」の~子どもの健やかな成長を願って~今、子どもを取り巻く状況は?のパネラーとして参加してきました。

大東文化大学特任准教授 渡辺先生をコーディネーターに迎え、周りが全て教職員、聴講されている方半分以上が教育に携わっている人という中で始まった特別講座。

良い企業に入る為の人材を育成する為の教育、学校が子どもをふるいにかける高校入試制度、キャリアパスポート導入により保護者の塾熱競争は更に激しくなる。本来の学校教育とは人格形成のためのものであり、子どもが社会に出る為の準備期間だったはず。子どもの権利や人権を無視するような制度が導入されようとしている事実を保護者はどのくらい知っているのでしょうか?

発達障害を持った子ども達は更に生きづらさを感じることでしょう。不登校・引きこもり、そして思春期の自殺率が圧倒的に高い長野県。追い打ちをかけるような制度。これで良いのか?日本・・・。

教職員組合のパネルディスカッションは今まで教職員の身内の会だったそうです。しかも現役組合員や組合員のOBがメイン。身内で話していても何も変わらないし、周りに伝わらない。

今回障害を持った子どもの保護者という立場で参加させていただきましたが、参加してみての感想。学校によってばらつきがある合理的配慮。学校間で情報を共有し、それぞれの学校が切磋琢磨してもっと良い環境を作って欲しい。不登校生徒の対応をもっと真剣に考えて欲しい。保健室以外に安心して過ごせる居場所を作って欲しい。

そしてこのような活動を組合員以外の先生に参加を促し、もっと多くの保護者に知って欲しい。今回新たな風を吹き込んだ母親大会の今後に期待したいところです。

安曇養護学校の寄宿舎で企画された LGBT啓発講演家 長岡春奈さんのお話を聞いてきました。座って辺りを見回すと先生ばかり。発達障害に関係無いから、皆さん関心無いのか?いえいえ、話の内容はとても興味深く、ダイバーシティ社会とは何か?を改めて考えさせられる時間でした。

春奈さん今年50回目、最後の講演はお母さんと一緒。何とも微笑ましい光景です。

春奈さんが身体の性別と心の性別の不一致と気づいたのは保育園の頃。その当時は性同一性障害という言葉すら誰も知らない時代。どうして自分に男性性器があるのだろうか?どうして自分はスカートを履いてはいけないのだろうか?誰にも理解されない苦悩、いじめ、自殺未遂。

現在日本の人口の7.6%、LGBT推定人数は13人に1人。性同一性障害の人は身近にいるのです。あなたの職場にもいるけど、気が付かないだけかもしれません。差別用語、気軽に使ってませんか?キモイ、ハゲ、デブ、これも全部差別用語です。これを機に覚えておきましょう。

ここでいじめについて触れたいと思います。2017年 文部科学省調査では小学校 約31.7万件、中学校 約8万件、高校 約1.5万件、その他約0.2万件。いじめの種類では からかい、悪口、脅し 約78%、軽い暴力 約18%、パソコン・スマホの誹謗 約4%。自殺の割合は小中学生が断トツ。長野県の特別支援学校でも36件報告されています。

言葉やネットで人を殺せる(自殺に追い込む)時代になってしまっているのです。春奈さんは「おとこおんなだ」「物を隠される」

いじめ、差別、偏見、身体の性別と心の性別の不一致、自分が学校で生活したい性別で暮らすことが出来ない辛さ、周りからの圧力、人から受け入れてもらえない・人から理解されない切なさ、誰にも相談できない孤独感。

中学校の時の担任の先生からの一言「そう、人は一人じゃなければ生きていけるんだ!進路は一緒に考えていこう。」その言葉に救われたそうです。春奈さんは担任の先生のアドバイスで高校生活では性別を意識することなく過ごせた。何でも話せる女友達は心から理解してくれた。春奈さんは一人では無くなったのです。

父親の死から数年後、性同一性障害の治療を開始する決断をした春奈さん。母親に話をした時お母さんはとても驚いた様子でしたが「女になっても自分の子どもであることに変わりは無い。母と娘で今まで以上に仲良く過ごしていきましょう」と涙を流して理解してくれたそうです。寛大な心のお母さん。身内に理解されること。これ意外と簡単なようで難しい問題だと思います。

障害を理解するとは? 個人や集団間に存在する様々な違い、すなわち「多様性」「個性」だと認識する。
みんな違ってみんな良い!

国籍、文化、宗教、肌の色、障害者、男だ、女だ、LGBTだなど。みんなで共存することで、学校生活を楽しく過ごし、社会においては個々人が最大の能力を発揮することができる。

今の日本はダイバーシティ社会にはまだまだです。発達障害の認知度は高まりましたが、理解はまだまだです。凸凹のある子の凸を伸ばし、生かして有能な人材としてこれからもっと社会で活躍していけるような環境作りが大事だと思いました。

松本市の委託職員として働く傍ら、小中学校を中心に積極的に啓発活動をしている春奈さんはとても輝いていて心から美しかったです。

皆さんも機会があったら是非講演会へ足を運んでくださいね。

本日は大町市で開かれたオルカの輪の会(大北地区発達障害の子をもつ親の会)に参加してきました。

オルカとはシャチの事で子供に愛情が深く家族の絆が強く人間と似ているということで名づけたそうです。奥が深いですね~!

勉強会の講師に信州大学医学部子どものこころの発達教室 特任准助教 樋端先生をお迎えして「医療現場から見た発達障害」をテーマに時折親に問題を投げかけるという楽しいものでした。

つい親が言いたくなる(言ってしまう)ベスト3

・早く
・待って
・言う事を聞きなさい

ここで親に対して先生から問いかけが出される。

「子供に対してイライラして怒鳴ったり手をあげてしまうのはどんな時ですか?」

言う事を聞いてくれない時、自分に余裕が無い時など・・・
これって全て親の都合ですよね?

発達障害の子供からしたら

・早く出来ないよー、まだできないよー。
・これがきになるんだよー、今すぐやりたいんだよー。
・納得できなんだよ、わからないんだよー。

だから発達障害なんだよーなのです。おぉ~納得!!

凹凸を平らにしたくなりますか?大抵の親はみんなと違うと不安になります。
でもちょっと考えてみてください。その凹凸を強みにしたらどうでしょうか?

・発達の保証を(一方的に高い目標ラインをひかれると自己肯定感が下がるだけ、だけど将来居場所がなくならないようなことは身につけさせる)
・凹は代償方略を(ツールを使う、人に頼むなど)
・凸を活かす(伸びやすいところに着目して伸ばしてあげる)

そして3つの大切な物とは?

・知識(情報的支援)
・余裕(心理的支援、実際の支援、仲間)
・対話の継続(コミュニケーション支援)

そして穏やかに、繰り返し、そして待つ。行動に注目して本人の体験を聞く(想像する)、環境や指示の工夫し、一貫した対応をおこなう。きちんと本人が納得する形で理由を伝える。

好ましい行動は褒める、好ましくない行動はスルーする、自分や他人を傷つける行動はルールを作って一貫した対応を!

さらに誰のための診断、アセスメントですか?

アセスメントをもとに、本人が今 苦痛なく、不安無く、混乱なく過ごせる(本人が楽しく、安心でき、わかる)、先へつながるような具体的な支援や配慮を継続することが重要。子どもにとっていい環境を準備するための、周囲に対しての診断です。

診断された親に頑張って!なんて言われると悲しくなります。
もう十分頑張ってますから。

余裕がある人が余裕が無い人を助けるのが原則で逆になると悲劇、知識があっても余裕も必要。ヘルプをだして助けてもらえる環境、対話の継続、フラットにオープンに、医療は親・子・支援者の潤滑油的な存在であれば良い。医療ー教育ー福祉ー行政という連携がうまくとれていなのが、今一番問題視されているところです。

この連携がうまくとれていくと、もっと親も子も生きやすくなっていくのですが・・・大きな課題ですね。

そして二次障害の予防が一番大事です。0次特性は強みにもなりうるので、子どもの好きと得意を大切に成長を楽しみに観察することはとても大事です。その特性(才能)が天才に生まれ変わるかもしれませんよ!

そして行きていく上でいちばん大事なのが援助希求・・・自援力・ヘルプシーキング
誰かに助けを求める!生きていく上でこれは絶対身につけておきたいスキルです。
思い切って援助をもとめたときに助けてもらえたという経験から身につけられるものです。

試行錯誤を保証する(挑戦したことを肯定。失敗してもやり直しは出来るという保証、安心感)、支援付き試行錯誤(将来を見据えて自分で選んで決め、上手く行かなかったことも含め結果をひきうけ自己理解を深め対処を工夫する力)
自分を知って、自分を社会にどう位置付けるか?(自分でやれること、やれない事を見極めることが出来る)

親離れは本能的、子離れは意識的だといいます。

親の言いなりにしない、本人で意思決定する環境を作ってあげる。
思春期は自分で考える力を養う大事な時期です。
福祉の活動、余暇活動支援、自己理解の促進、親離れ子離れの支援。

成年移行期には色々な問題が起こります。当事者である子ども抜きで親や周囲が色々決めるようなことはしてはいけません。

当事者・支援者・医療・教育・福祉を超えた対話の場が必要。

連携・移行の為のガイドラインやツールが必要←これが今一番問題視されているところでしょうか?
医療をもっとうまく活用して、発達障害の親も子も生きやすくなっていくと良いですね。

次回のオルカの輪は1/10にえじそんくらぶ長野の阿部優美子さんをお迎えして「ストレスケア」だそうです。発達障害の親はとにかくストレスを抱えがちです。心のメンテナンスしてみませんか?

 

 

 

キッセイ文化ホールで開催された「信州あいサポートフォーラム2018」に参加してきました。
会場は平日にも関わらず約300人の人で溢れかえっていました。

信州あいサポート運動とは
・障害について知る
・できる範囲でちょっとした手助けをする
・障害のある方も暮らしやすい地域社会(共存社会)になるように、皆で一緒に作っていく運動です。
基調講演ではテレビ・ラジオでおなじみの松山三四六さんを講師にお迎えして「心のバリアフリー」について。
お堅い講演かと思いきや、最初から三四六トーク炸裂です。

動物は完成形で生まれてきます。
でも人間は未完成で生まれてくる。生きているということは誰かに支えられている。
人はスタートから誰かに支えられている。心の支えがいるから生きていける。
支えられている人も支えているいる人である。
動物には白目無いですよ!!人間の目になぜ白目があるのか?どこをみているかわかる為に白目はあるんですね~。
温もりあって支えあうのですよ!

命という字は何から出来ていると思いますか?口と令です。ミッションを果たすために命はあるのです。
神社にお願いしに行くのではなくて、命令を聞きに行く場所。自問自答する場所ですよー。
幸せは仕合わせなのです。行動を起こしなさいという意味です。
行動すると有難うという言葉が返ってくる。この有難うの反対語は当たり前。
人生幸せになる為には有難うと言われることをいっぱいする。
私達は幸せになる為に生まれてきた。人を幸せにするために生まれてきた。
忘己利他・・・自分のことは後にして、先ずは人に喜んで貰う事をする。そこに幸せがあるという仏教用語です。
作用反作用の法則・・・力はペアになって働く。人間一人では生きていけません。
恩送り・・・恩を返したい→次の人に恩送りをする。
障害のある人を支える、支えられる。みんながそのような気持ちになると心のバリアフリーにたどり着きます。
その人の歩幅に合わせた支援を、支えを!
人は支えがないと生きていけません。欠点とは足りない事では無く、欠かす事の出来なかった点。
障害者とは私が苦しかった事を代わりに受けてくれた人。
そう、障害者が居なかったら私達は幸せにはなれなかったのです。
困っている人を見たら助けてあげる。
そういうことが世の中当たり前になるのが
本当の心のバリアフリーなのです。

説得力あり熱く語ってくれた三四六さん。本当に素晴らしい講演でした。

中信地区の養護学校では今月が学校祭ラッシュです。
今日は松本養護学校と安曇養護学校で学校祭が開催されました。
今回は安曇養護学校の学校祭へ行ってきました。

学校祭では児童・生徒達がこの日を目標にして学習してきた成果の発表をする場で、
一般の方々に養護学校を公開する日でもあります。

中学部の様子をご紹介します。
中学部になると就労に向けての予行練習も兼ねて、4つの作業班に所属して力を合わせて製品作りをします。
作業班に所属するとその工程にあった校外学習が実施されているそうです。
牛乳パックを再利用した手すきハガキ班、草木染めやさき織りの染め物班、生徒自ら磨いて塗って組み立てたベンチ班、羊毛フェルトを丸めて小物を作る森の仲間班。
会場の体育館には沢山の作品が並んでいました。
中学部の生徒が作ったとは思えない素敵な作品の数々。
次から次へと売れていきます。

売り子はもちろん養護学校の生徒達です。
みんな笑顔で接客します。養護学校の子供達は挨拶をしっかりしてくれます。
自分たちが作ったものが売れるとお金になるということも学びます。
高等部になると更にレベルの高い品々が販売されているそうです。

一般公開は様々な学びでもある大事なイベントなのです。
もっと多くの方々に養護学校の活動を知って頂きたいですね。
来年はお近くの養護学校の学園祭に足を運んでみませんか?
子供達の明るい笑顔に会いにいってあげてください。

発達障害の子どもたちの半数以上に偏食があると言われています。
その背景に発達障害特有の「感覚過敏」などの感じ方ががあるそうです。

例えば、赤くて美味しそうに見える「イチゴ」。
発達障害の子供の中には、イチゴの表面にある種が気持ち悪さや怖さを感じる子供もいます。
秋野菜の代表格 「ナス」。ナスの皮のてかりがゴキブリに見えてしまい、虫なんて食べられないと感じる子供もいます。

従来は”好き嫌い”や”わがまま”と言われてきた問題が、実は生理学的な問題な事のが多いのです。
こうした発達障害の子供特有な感じ方は中々周囲には理解されず、無理に食べさせようとしたことによってトラウマとなり、長期の偏食に陥ることになりかねません。

発達障害の子どもたちの偏食とどう向き合っていけばいいのでしょうか?発達障害の子供の中には強い拘りがあったり、経験した事が無い食べ物に極度の不安を感じる子供も多くいます。先ずは不安を取り除く事が大切です。早い段階から子供が食べやすいように調理して、偏食を改善していくと良いでしょう。

我が家の場合 野菜は汁物(カレー・シチュー含む)かしか摂りませんでした。
沢山の野菜を小さく刻んで入れて、一杯の味噌汁で色々な栄養素を摂れるよう工夫をしました。
それじゃナスはどうするの?
ナスの皮を全て包丁で剥いてしまえば、ゴキブリには全く見えません。
人参が食べられない子でしたら、ピューレにしてカレーにして煮込むなど、調理方法の創意工夫で食べられる場合もあります。
それでも食べられない!どうしよう・・・。悩む事はありません!
水分と食べられるものが一品でもあれば死ぬことはありません。
その子の身体が本当に必要だという時期がくれば必ず食べます。
食べないと成長できないなんて事は決してありません。
家族で囲む食卓は日々楽しいものでなければありません。
目線を子供まで下げてみましょう。子供の食べているものに共感してみましょう。
「こんなに美味しいんだもん。毎日でも食べたいよね!」
大人でもそんな幼少期ありませんでしたか?
食事がストレスにならないように、日々心掛けていくと良いでしょう。

子どものこころ診察室より
今月は信州大学医学部付属病院 子どものこころ診療部 樋端先生のコラムです。

いい加減の子育ては難しい。

ここで言う「いい加減(否定的)」では無く「良い加減(肯定的)」の事を指します。

十数年前は困っているとご近所の人が助けてくれるのが当たり前の時代でした。
近年核家族化が進み、共働き世代になり、福祉サービスの充実と共に
地域での繋がりは薄れ、皆で「良い加減」に子育てするのが難しくなってきました。
ましてや子供が発達障害と診断されると、周囲の理解も得られず孤独になったり、自責の念に囚われる親も少なくありません。

だからと言って周囲の子供達に早く追いつこうとか
普通に育てようなんて思う必要はありません。

発達障害の子どもは実はとってもユニークな特性を持っていて、
その特性を上手く伸ばしてあげると素晴らしい子供に育ちます。
だからと言って焦りは禁物です。
知識と余裕を持ち子どもの成長段階に合わせた支援をしていくことが大事です。

でも育児をしていく中で不安や迷いは常について回ります。
そんな時は行政、医療、教育などに相談してみましょう。

もっと気軽に相談できる場が無いか?
行政、医療機関、児童発達を支援する事業者が立ち上げたグループ、保護者が立ち上げた親の会などがあります。
そのようなところに問い合わせをして参加してみるのも一つの手立てです。
ただ、保護者の中には専門的な機関や昔からある団体に抵抗感を感じる方も少なくありません。

そういう方たちにも気軽に参加でき、自らの悩みを話、様々な情報交換できるのが
「発達障害あるあるラボ」です。
医療、教育、福祉の支援職、当事者、保護者などが参加して、
赤裸々トークし前向きに育児に取り組めるよう癒しの場を提供する
今までにない形のピアサークルです。

心屋仁之助書「いいかげんに生きるより」

”ちゃんと「がんばる」よりかなり「適当」くらいが人生うまくいく”

発達障害あるあるラボに参加して発達障害のあるお子さんの
「良い加減」な子育てしてみませんか?

養護学校を卒業した子供達はどんなところで働いているのでしょうか?
今日は安曇野市にある二つの会社を見学してきました。

先ず最初に向かったのは株式会社 アストコが運営している今年三月に始まったばかりの「エコミットあづみ野」さん。

ここは就労継続支援B型事業所(一般企業で働くのが難しい方)です。
10代後半~60歳後半までの身体・精神・知的・発達障害の人が働いてます。
勤務時間は9:30~15:30までの4.5H。無理なく働くが売りのこの就労先では週2~3日や午前中のみという働き方が選べます。
毎日通所し作業に取り組んだ場合工賃は月最大約3万円になるそうです。
作業内容はパソコンの解体・金属のピッキング。施設外就労としてもったいないボックスの清掃・野菜加工・デイサービス敷地の清掃を行っています。
仕事内容については適正を考慮してローテンションを組んでいます。

アストコさんはエコミットあづみ野以外に就労移行支援事業 ブライト、働き方改革支援事業 サテライトワークも運営しています。

サテライトワークは法律で求められている「雇用、就労時における合理的配慮」をどのように達成するべきか、障害者雇用企業の困りごとの解決、障害者に
とって働きやすい職場創りをサポートしています。

ブライトでは障害者一人一人が、自分自身を理解し、自分に最適なカリキュラムを通じて、適切な就労に繋げる橋渡しをしています。

ブライトまつもとには研修工場があります。リサイクル(パソコンの解体)の仕事を教材として取り入れ、働くために必要な事を学ぶことができます。
基礎訓練では集中力・器用さ・作業効率・自信をつけます。
応用訓練では実際の仕事で求められる、指示の理解、判断能力や粘り強さを育成します。
業務上でも最も求められる報告・連絡・相談(ホウレンソウ)・ルールを守り働く力・安全に生きていくための力を身に着けます。

ブライトまつもと サテライトでは専門講師を招いての本格的な講座と、スタッフによる就職に役立つオリジナルカリキュラムを実施しています。
自分の興味のある講座から始めて、徐々に興味の幅を広げていくことができます。
ここではパソコン訓練(Word・Excelなどの基礎から応用まで)、キャリアコンサルタントを招いてのコミュニケーション訓練、松本大学准教授を講師にむかえてのビジネスマナー、ワークサンプルを活用しての作業訓練を受けることができます。

会社の使命として掲げているのは「明日輝くところを作る」。その通り活気ある就労先です。

二つ目は株式会社 ちくま精機さんです。
障害者雇用をしている創立50年、従業員148名の中小企業です。
部品を作る部署と製品を作る部署に分かれています。
本日は自社ブランドの生ごみ処理機のラインを見せて頂きました。

会社理念は「ANSINKAN」を提供する綺麗な会社。
ここで言う安心感は福利厚生・製品・納期・仕事環境です。
そして綺麗な会社(製品・経営・気持ち・社屋)に力を入れています。

就業時間は一日8時間。週5日の出勤です。
ブラザーアシスト制度(新入社員に先輩社員が一対一に着く)を導入して、一カ月ごとに問題点の洗い出し、対策会議をします。
コミュニケーションに不安がある人には教育計画を立て、皆が情報の共有をします。
そして一年後には独り立ちしていきます。
挨拶はもちろん、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)、五分前行動、休日はしっかり休み、休み明けに備える。
そして一番は本人の頑張りが成長となります。

今まで就労先とはイメージが違い、支援する方も働いている障害者も明るく楽しい感じがしました。
障害者の仕事は兎角3k(キツイ・汚い・暗い)のイメージが強いですが、明るく清潔感溢れる社内は新3k(きつさ、気配り、綺麗)これからの就労先のあるべき姿だと思います。

養護学校高等部3年になるとアセスメント実習が始まります。
沢山ある就労先の中から子供の特性にあった就労先を見つけ出さないといけません。
ここで大事になるのは母親のぶれないモチベーション、選んだ理由をきちんと計画相談の人に伝え一緒に考えることになります。本当ならいくつもの就労先でアセスメント実習ができれば良いのですが、現段階ではそれは受け入れする就労先側の問題、本人への負担を考えると無理な状況です。
将来的にはアセスメント実習した中から視覚支援カードを使いどの仕事がやりたい?と本人が自ら選び決められるようになると良いですね。

今回訪問した二つに共通していえることは皆が楽しく働いていることです。
今後障害者も日々輝ける企業が増えていくことに期待します。